ランスキーシャープナーを使ったホーニング |
■研ぎ角を正確に保つアメリカ製の新用具
より長い刃持ちを求めて最近のナイフは硬度が高くなってきている。それゆえにシャープニングは難しくなる一方で、研ぎの技術がついてゆけないユーザーもまた増加しつつある。そこに出現したのがアメリカで開発されたランスキー・シャープナーというわけで、砥石がブレードに対し常に一定の角度で当たたるように設計されていて、フラットなシャープニングを可能にした。また角度も17度・20度・25度・30度と4段階選択することができる。砥石の種類も豊富で、ダイヤモンド砥石が4種、アルミナ合成砥石が3種、セラミックス砥石が3種、アルカンサス・オイルストーンが4種と、計14種類が用意されており、ユーザーはニーズに合わせてシステムを組めるようになっている。長いナイフにも対応でき、砥石も小さくてすむので、高級砥石もローコストでかけられる。難しいカーブの部分も綺麗に研ぎ上げることが可能。
■クランプの挟み方がポイント
このシャープナーは、クランプと呼ばれる主装置のガイドホールに、砥石ホルダーに専用のロッドを取り付け通すことにより一定の角度を得るものである。そこで大切なポイントは、ブレードの適切な位置に正確にクランプを取り付けることと、砥石面と水平な状態にロッドを取り付けることにある。写真1・2はクランプの取り付け方であるが、4インチ程度のナイフは一度で研げるので、写真1のようにガイドホールからグリップした部分のエッジまでの距離と、ポイントまでの距離がほぼ等しくなるようにする。長いナイフは写真2のようにクランプを複数用いるか、挟み換えて行なう。この際研いだ部分を2cm程オーバーラップさせること。また、ブレードが傾いて狭めてないか必ず確認しよう。写真3はガイドロッドの取り付け方である。必ず水平な所で行なうこと、写真4のように身幅の細いナイフや峰からフォローグラインドのナイフは、クランプの先の低い段で挟み、身幅の広いナイフは写真5のようにビスに近い高い部分で挟むとよい。
■研ぎ方は非常に簡単
研ぎの順序はベンチストーンと同様であるが、角度を気にせずできるのでいたって簡単である。荒砥から中砥までの作業は、写真6・7のようにジグザグにストロークして、反対側にバリを全面に出す方法が早い。仕上砥からは写真8・9のように、ブレードの根方からポイントまで砥石の長さを有効に使ってスムーズにストロークしよう。両面を交互に30回から20回・10回…と減らしていく作業もベンチストーンのときと同様である。この際、何回もクランプをひっくり返すので、マウントと呼ばれる専川の台があると、ワンタッチでできるので万力に挟むより便利である。2-3回使用してみると、コツもつかめ上達も早い。